マインドフルネス・瞑想の効果 身体的不調が改善した実体験
近年、マインドフルネス・瞑想にはさまざまな効果があることが分かり、注目され始めています。集中力向上、生産性向上、ストレス軽減、人間関係の良好化などの効果が科学的に実証されたため、Google、Apple、Facebook、Yahoo!、メルカリといった有名企業でも導入が進んでいるのです。
僕自身が3年ほど前から実践している瞑想法は、マインドフルネス瞑想の源流とも言える「ヴィパッサナー瞑想」。全身の身体感覚に注意を向けていくという瞑想法で、10日間コースの合宿に参加したりしました。
受けた恩恵は計り知れません。上で述べたような効果を始め、確かに色々な効果を実感しました。その中でも今回は、あまり取り上げられることのない「身体的不調が改善した実体験」について述べていきたいと思います。
- 身体的不調が改善した実体験
- 本当に瞑想の効果なのか?という疑問
- 心身症全般に効果的だと考えられる瞑想・マインドフルネス
- 少しずつでも瞑想してみる
- マインドフルネス瞑想の一種「アーナパーナ瞑想」のやり方
- 参考リンク
身体的不調が改善した実体験
腰痛
瞑想を始める前の数ヶ月間、ひどい腰痛に悩まされていました。運動不足かと思って筋トレやジョギングをしたり、腰痛ストレッチの本を買って試したりもしましたが、一向に良くなる気配もなく…。しかし、瞑想合宿に参加し、自宅でも瞑想を続けているうちに気づいたら痛みがなくなっていたのです。
過換気症候群
「いくら息を吸っても酸素が足りていないような発作がたまに起こる」という状態が小学校から大学までの間続き、病院に行ってついた診断名が「過換気症候群」。「ストレスからくるものですので、残念ながら処方薬は出せません。」と言われましたが、これも数ヶ月のうちに治っていきました。
マイコプラズマ肺炎
「風邪をひいた後、2,3ヶ月ほど咳が残る」という状態が数回あり病院に行くと「マイコプラズマ肺炎」だと診断されました。処方された薬を数ヶ月飲み続けていましたが良くなりませんでしたが、これも瞑想を始めてから数ヶ月で治りました。風邪を引くこと自体も少なくなり、非常に快適です。
本当に瞑想の効果なのか?という疑問
こうして見ていくと、「本当に瞑想のおかげなのか?」と疑問に思うでしょう。
確かに100%瞑想のおかげかどうかは分かりません。けれど、それまでほぼ変わらなったにも関わらず、瞑想を本格的に始めた3年間で劇的に変わったものばかりです。その3年間で新たに何かを始め、継続的に続けているものは瞑想以外に無いので、瞑想によるものが大きいのではないでしょうか。
心身症全般に効果的だと考えられる瞑想・マインドフルネス
「心身症」というキーワードから考えることもできるでしょう。
心身症とは、「精神的・心理的な原因、主にストレスによって起こる身体的症状」のことを指します。片頭痛や緊張性頭痛、気管支喘息、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎など「原因がよく分かっていない」多くの症状が含まれています。
瞑想・マインドフルネスはストレス低減に効果的であるため、心身症が改善する可能性は十分にあると考えられます。
少しずつでも瞑想してみる
「原因はよく分からないけど、皮膚がかゆくなったり、頭が痛くなったり、肩がこったりする..」という方は、ストレスが原因となっている軽度の心身症の可能性があります。
10日間の瞑想合宿にいきなり参加するのはハードルが高いと思いますが、瞑想・マインドフルネスを少しずつでも生活に取り入れてみると良いかもしれません。
マインドフルネス瞑想の一種「アーナパーナ瞑想」のやり方
ヴィパッサナー瞑想を個人で行うことは大変難しく、具体的なやり方を指導することは禁止されているため記事は書いていません。ただマインドフルネス瞑想の一種で比較的簡単にできる「アーナパーナ瞑想」のやり方について記事を書いたので、よければご覧ください。
参考リンク
利他行・徳積みで慈悲心を育て幸福に マハトマ・ガンジーの「日常」
利他行・徳積みで幸福に
「利他行」とは人のためになる行いをすることですが、大乗仏教系の仏道修行では特に利他行が重視されます。利他行によって利他心を育むと、結果的に自分が救われるのです。
「徳を積む」とも言い換えられます。徳を積むと幸福感を感じやすくなったり、運が良くなったりすると一般的には言われますが、そのときその場でも恩恵を得られます。
「与えよ、さらば与えられん」
例えば、立派な「徳積み」の一つである掃除。掃除をするとき「みんなが気持ちよく過ごせますように」と気持ちを込めると穏やかな気持ちになり、そのあともイライラすることが減ります。
「与えよ、さらば与えられん」は有名な言葉ですが、気持ちのレベルで見ると与えた瞬間に与えられているのです。慈悲心を抱いた瞬間に自分が幸福になる。
もちろん、最初からものすごい慈悲心が湧き出すという人は少ないでしょう。続けることが大事です。僕自身も、継続することで徐々に慈悲心、利他心が育っていっているという感覚です。
心と体は繋がっている
イライラしていたり面倒だと思いながら何かをすると、体も重くなったりだるかったり...という経験はありませんか。逆に慈悲心や優しさ、思いやりで溢れているとき、そうしたしんどさはあまり感じないでしょう。心の状態は体に現れるのです。
僕は書店でアルバイトをしているのですが、接客の時に「この人がこの本を読んで安らげますように」と意識的に考えているのですが、心からそう思える時、心が安らぎ疲れをあまり感じません。
マハトマ・ガンジーが感じていた「日常」
インド独立の父、マハトマ・ガンジーはあるときインタビュアーに「いつ休んでいるんですか?」と聞かれ、こう答えました。
「毎日が休日です」
非暴力・不服従で独立を勝ち取る運動をし続ける、というのは想像を絶する困難が伴う利他行です。ガンジーこそ「世のため人のため」という慈悲の心で溢れていたことでしょう。心も体も軽く、本当に毎日が休日のように感じていたのかもしれません。
心を安定させるヴィパッサナー瞑想・マインドフルネスという土台
ただし、イライラしている時にむりやり「世のため人のため」と考えようとしても難しい。気持ちを抑圧すると、余計にしんどくなってしまうこともあります。
そこでヴィパッサナー瞑想やマインドフルネスの出番です。まず心を浄化する。浄化された心は、落ち着き、安定しています。その上で慈悲の瞑想や利他行、徳積みで慈悲心を育みます。利他行をするときは、その前でも最中でも「みんなのためになりますように」「世のため人のため」と自覚すると良いでしょう。
これはさまざまな苦しみから解放され、幸せに繋がる道です。僕自身、非常に大きな恩恵を受けました。どれか一つからでも実践すると、実りが得られると思います。皆さんが苦しみから解放され、幸せでありますように。安らぎと調和を得られますように。
イチロー選手に学ぶ、物・人への感謝 「お蔭様」で成り立つ「有り難き幸せ」
道具を大切にし、感謝するイチロー選手
「どうしたら野球が上手になりますか」
イチロー選手は、小学生から受けた質問に対してこう答えたと言います。
「バットやグローブなどの道具を大切にすることだよ」
そしていつもきちんと使えるように手入れを欠かさず、道具を使えることに対して感謝の気持ちを忘れないようにしているそうです。
「バットの木は、自然が何十年もかけて育てています。僕のバットは、この自然の木から手作りで作られています。グローブも手作りの製品です。
作ってくれた人の気持ちも考えて、僕はバットを投げたりしません。」
すべてのものは「お陰様」で成り立つ
身の回りのものについて考えてみると、それにどれほどの労力がかけられているか計り知れません。
住む家、着る服、食べるもの。それらを作ってくれた人、運んでくれた人、売ってくれた人がいます。すべて「お陰様」で成り立っている。普段は意識せず、ついつい「当たり前」になってしまいますが、本当はとてつもなく「有り難い」ことです。
そうして一つ一つの「有り難き幸せ」に気づき、ことで自分の心が満たされると、結果的に自分が幸せな気持ちになるでしょう。それは周囲にも伝わり、安らぎと調和の雰囲気は広がっていきます。自分にとっても他人にとっても良い、自利利他の状態です。
心から感謝するには
しかし頭で感謝について理解しても心が伴うのは難しい。「なるほど」とは思っても、「本当にありがたいことだなぁ」と心の底から気持ちが湧き上がってくる瞬間はあまりないでしょう。どうすれば良いのでしょうか。
心が伴わなくても、意識的に「ありがとう」と考えて心の中で唱えることを継続していると、心から湧き上がる瞬間がやってきます。繰り返すことが重要です。
感謝で自分の心も安らぐ
例えば外食するとき。ご飯を食べる前に、その食べ物がどれほどの労力をかけて今自分の目の前にあるかを少しだけ想像してみます。
食材を作ってくれた人、調理してくれた人、運んできてくれた人、注文をとってくれた人。
手を合わせ、「おかげさまで食べることができます。ありがとうございます。いただきます」と考える。
本当にそう思えるとき、店員さんの態度にイライラしたり、料理の粗探しをしてピリピリしたりすることが少なくなります。結果的に自分も安らぐ。店員さんに対して「ありがとうございます」と微笑みたくなってきます。
そうして感謝、善意、調和の輪は広がっていきます。
世界平和も一人から
「世界平和のために何ができるか」
これはよく議論されるテーマですが、まず瞑想や感謝などを実践し、自分自身の心を穏やかに保つことが重要ではないでしょうか。
世界は一人一人から成り立っています。一人一人の心が安らぐと、世界平和にも繋がっていくでしょう。
トイレ掃除の不思議な効果 我がとれ、利他心が育つ
トイレ掃除と「トイレの神様」
「トイレの神様」という歌をご存知でしょうか?植村花菜さんという方の曲で、2010年に発表され流行しました。その歌では、おばあちゃんがお孫さんの女の子にこのようなことを語りかけます。「トイレには女神様がいる。だからトイレをきれいに掃除するとべっぴんさんになる」
僕は当時、「変わったタイトルの歌だなぁ」と思うくらいで、その内容は気にもとめませんでした。しかしトイレ掃除には本当に不思議な効果があるようです。色々な方がトイレ掃除の効果について驚き、力説し、本を書いています。
トイレ掃除のすごい効果
例えばイエローハットの社長、鍵山秀三郎さんの話は有名です。創業当時、荒んでいた労働環境を少しでも気持ちよく働いてもらおうという思いから社長自らトイレ掃除をし、数年経った頃から社員もトイレ掃除に参加し始めました。すると社員の人間性が変わり、社風が良くなったと述べています。
小林正観さんは「ありがとうの神様」を始めさまざまな本を出版され、講演のため全国を回られていた方ですが、掃除の重要性について触れています。特にトイレ掃除でうつ病が治ったり、お金が入ってきたという報告を何人、何十人からも受け、ご自身もそうしたことを実践、実感されていました。
禅寺では修行僧は掃除をしますが、特にトイレ掃除が重要視されます。理由は、「我がどんどんとれていく」から。我がとれると「自分が自分が」という気持ちが薄れ、不平不満やイライラが減り、結果として苦しみが減るとされます。
我がとれ、利他心が育まれる
僕は、「家族みんなが気持ちよく過ごせますように」と意識的に考え、利他心を込めながら、風呂の排水溝を掃除することを続けて実践しています。最初「汚いなぁ」と嫌悪感を感じて顔が引きつっていましたが徐々に慣れていきました。そして、本当に「みんな気持ちよく過ごせますように」という気持ちが湧いてきて心が安らぐ瞬間を少しずつ経験し始めました。それは暖かく幸せな気持ちで、顔も少し微笑んでいたのです。自然な微笑みでした。これが「我がとれていく」ということなのかと腑に落ちました。
実践してみると分かりますが、トイレ掃除をするときはかなり嫌悪感が強く、他の掃除よりも顔が引きつります。その分、「我がとれていく」「利他心が育まれる」レベルも高いのではないでしょうか。
微笑みの積み重ねで「べっぴんさん」に
トイレ掃除をすると優しい気持ち、利他心が育まれる。そのとき、自分の心は安らぎと調和に満たされています。それが顔に表れる。微笑、穏やかな顔つき。その表情の積み重ねで、長い年月を経て、本当の「べっぴんさん」になる。
「トイレの神様」のおばあちゃんは、そのことを体験的に知っていたのかもしれません。
ミニマリズムも「スモールステップ」で モノを手放すハードルは自然に下がる
何か始めようと思う時はいつでもスモールステップが重要です。いきなりすごいことを始めようしても挫折してしまいます。モノを捨てるのも同じ。
手放しやすいモノを、手放しやすい方法で
僕の場合、捨てるのは抵抗があったのでメルカリというアプリで売ることにしました。まず最初に「これは手放しても良いかな」という自分の執着が弱いモノから売り始めました。
徐々に部屋からモノが減っていくと、色んなことに気づき始めます。「スペースが空くので何かするときに空間を広々と使えて気持ちがいい」とか、「掃除がしやすい」など。
するとモノを手放すハードルも少しずつ下がっていったのです。以前だと持っておきたいと思っていたモノも「まぁ手放しちゃっても良いかな」という風に。執着が少なくなっていきました。
ミニマリズムのステージが上がる
皆さんは、雑貨屋や服屋などの店に入るとき、まず最初に何を考えますか?まず「何を買おうかな」「何か良いものはないかな」と考えるのではないでしょうか。モノを捨て始めると、それも変わります。「モノを買うモード」のスイッチが入りにくくなる。物欲も少なくなっていくのです。僕はまさにそうでした。
そうしてさらに部屋の中がスッキリしてくると、散らかしたくなくなってきて自然と部屋をきれいに保てるようになってきます。
最近ではメルカリでもなかなか売れにくいようなモノや利益の少ないモノは「捨てても良い」と思え始め、つい先日、服などを捨てました。これは自分の中でもちょっと驚く心境の変化でした。
ステージは自然に、ゆっくり上がっていく
焦らず、手放しやすいやすいものから手放す。捨てるのが難しい場合は、アプリやリサイクルショップ、古本屋などを利用して売る。こうした積み重ねで、精神的にも身体的にも身軽に、楽に、軽やかになっていきます。
文章にするとあっという間のようですが、僕がモノを手放し始めたのは4年前です。ミニマリズムのステージはゆっくり、ゆっくり上がっていくようです。
自分も他人も幸せになるブッダの教え「和顔愛語」
ブッダの教えに「和顔愛語」というものがあります。これは「和やかな顔つきをし、思いやりのこもった言葉を使いましょう。結果として自分自身の幸福にもつながりますよ。」というものです。
僕は書店でアルバイトをしているのですが、「和顔」の良さを実感した瞬間がありました。
仕事での「和顔」の実践
ある時、先輩にもっと笑顔で接客するよう言われました。それまでは「作り笑顔なんて顔が強張ってしまって変な印象を与えるだけではないか」と思っていたのですが、指導されたので頑張ってやってみました。すると意外とできるものなんです。
最初は引きつりや強張りで大変でしたが、徐々に慣れてきて当初よりかなり自然に笑顔ができるようになりました。
返ってきた「笑顔」
そして驚いたことに、笑顔にしているとお客さんの表情も違ってくるのに気付きました。笑顔を返してくれる人が圧倒的に増えたのです。嬉しいので、自分自身もさらに笑顔になる。本当に嬉しいから当然笑顔になります。最初は作り笑顔だったのに、本当に笑顔になっている、幸せになっている。幸せの連鎖、ハッピーの循環。こんなに素晴らしいことはありません。
まとめ
自分の利と他人の利が純粋な意味で一致している状態。これが本来の「自利利他」ではないでしょうか。自分にとっても他人にとっても良く、安らぎと調和に満ちています。
無理のない範囲で和顔愛語を試してみると、ちょっと幸せなことが増え、やがては大きな実りに繋がるかもしれません。
3種類のブッダの瞑想法 Vol.4 慈悲の瞑想のやり方 慈悲心は怒りを打ち消す
日常的にイライラすることが多い、ちょっとしたことで怒ってしまう方は多いでしょう。そうすると相手との関係が悪くなったり、自分が疲れたり、ストレスで精神や体に不調をきたしたり、大変ですよね。仏教では「慈悲の心」は怒りを打ち消せると考えます。ではどうすれば「慈悲の心」を育めるのか。「慈悲の瞑想」を行うのです。
慈悲の瞑想は怒りに対して特に有効ですが、ネガティブ感情全般に対しても有効です。「瞑想する脳科学」という本にはその脳科学的な効果も載っています。
では実際のやり方を解説します。
慈悲の瞑想のやり方
できるだけ静かに集中できる環境を整え、できれば座ります。
以下のことを心の中で唱えます。
私の内から怒り、憎しみ、敵意、悪意、嫉妬心がなくなりますように。
私の内に、真の安らぎ、調和、自由、幸せを育めますように。
生きとし生けるものすべてが真の安らぎ、調和、自由、幸せを得られますように。
特に普段よく接する人、家族や友人、同僚の顔を思い浮かべながら
「私の周りの人々が真の安らぎ、調和、自由、幸せを得られますように。」と唱えるのも効果的です。これは僕自身かなり実感しています。
心からそう思えなくても全く問題ありません。毎日繰り返しやっていると、「本当に、心の底から、みんなが幸せでありますように」という感情が湧いてくる日が訪れます。
他人の幸せを願うと心が暖かくなり、自分まで幸せになるのです。
これは心が落ち着いた状態の時にやると効果的です。ネガティブな感情を抱いているときはなかなか難しく、あまり心にしみこんでいきません。アーナパーナ瞑想、ヴィパッサナー瞑想をやった後の、心が浄化されている状態の時に行うのがもっとも効果的です。
皆さんが幸せでありますように。
安らぎ、調和を得られますように。
この記事が少しでもそれに貢献できますように。