3種類のブッダの瞑想法Vol.3 アーナパーナ瞑想のやり方
アーナパーナ瞑想は、呼吸瞑想や止瞑想とも呼ばれます。今回はそのやり方を解説します。
環境を整える
- あぐらをかいて座ります
- クッションをしくと良いでしょう
- 部屋を暗くします
- 扇風機やエアコンなどの風が当たらないようにします
- できるだけ静かな環境を作ります
光や音など刺激が少ない環境を作ることで瞑想により深く入っていくことができます。あぐらをかけない場合はイスなどに座っても大丈夫です。
準備が整えば、好きな時間だけタイマーをセットします。最終的には1時間できると良いですが、最初は1分からでも大丈夫です。1分、3分、5分、10分、15分、30分などと徐々に時間を増やしていくとやりやすいと思います。
瞑想を始める
上唇の上を底辺とし、鼻の付け根までの三角形の部分を意識してください。そこで感じる自然な呼吸の感覚に意識を集中させます。
息が鼻の穴を通る感覚。鼻の下に当たる感覚。
入ってくる息、出ていく息。
今この瞬間に、どんな感覚を感じているかに集中します。
息の冷たさ、暖かさを感じるかもしれません。
呼吸の流れを感じるかもしれません。
それに意識を向けてください。
かゆみ、痛み、痺れなど、呼吸以外の感覚を感じるかもしれません。
呼吸に関係する感覚以外はすべて無視してください。
呼吸をコントロールしてはいけません。
ありのままの呼吸、自然な呼吸の感覚に注意を向けてください。
注意が逸れてしまっても構いません。
その度に、その三角形の部分に意識を戻します。
逸れるたびに、戻す。逸れるたびに、戻す。
色々な考えが浮かんでくるでしょう。構いません。
それに気づいた瞬間に意識を戻します。
まとめ
最初は何も感じられないかもしれません。あるいは思考が出すぎて「本当にこれで瞑想ができているのか」と不安になるかもしれません。それでも大丈夫です。瞑想が深まると逆に思考が出てくる場合もあります。
僕自身は3年くらいやっていますが、できていないと思っていても続けていくうちに、徐々にその効果を感じ始めます。「集中力が増した」とか「疲れがとれる」など。一度、その効果を実感すると続けられるようになってきます。
そして時間を長くすればするほど、より深い恩恵を感じ始めます。これは人生全体に影響を与える素晴らしいものだと確信し始めます。
ぜひ続けてみてください。
皆さんが幸せでありますように。
安らぎと調和、自由を得られますように。
3種類のブッダの瞑想法 Vol.2 効果・メカニズムのイメージ
前回の記事で以下の3種類の瞑想の効果ついて述べました。
- アーナパーナ瞑想(呼吸瞑想、止瞑想)
- ヴィパッサナー瞑想(マインドフルネス瞑想、観瞑想)
- メッターの瞑想(慈悲の瞑想)
これらはそれぞれどんな働きをするのでしょうか。
3種類の瞑想法のイメージ
イメージ的にヴィパッサナー瞑想が心の手術です。
僕らは普段、緊張感、憂鬱感、怒り、憎しみ、敵意、悪意、嫉妬心、ストレスなどネガティブなものを蓄積し続け、心も体もガチガチになり、ひどい場合には病気になったりしてしまいます。その心の膿を手術によって根底から出し切るのです。
ヴィパッサナー瞑想で深い部分まで入って手術するためには、相当な心の集中力を要します。それを培うのがアーナパーナ瞑想です。
メッターの瞑想は、手術後の塗り薬のような働きをします。
1つだけでも効果はありますが、3種類をすべて実践するとより強力になります。
3種類の瞑想法が互いを支える
「ポジティブ思考になろう」「良い言葉だけを使おう」とはよく言われます。しかし人によってはなかなか難しい。
例えば「大丈夫、大丈夫。何とかなる」と考えようとしても、「全然大丈夫じゃない」とか「根拠がないだろう」などと批判する思考が強すぎると、結局落ち込んだりモヤモヤしたりしてしまいます。
しかしアーナパーナ瞑想、ヴィパッサナー瞑想をするにつれてそうした批判的思考が自然に減っていきます。心の奥底にある強いネガティブな感情や思考が浄化されていく感じです。
するとポジティブな言葉がすんなり自分の中に入ってくるようになります。
その上でメッターの瞑想によって他人への慈しみや安らぎに関係するポジティブな言葉を意識的に心の中で唱え、自分の中に刷り込んでいきます。これを続けるうちに暖かくて幸せな気持ちになる瞬間が訪れます。それは本当に良いものです。
このように、3種類の瞑想法が互いを支えているのです。
まとめ
では、上で述べた3種類の瞑想法のうち、「アーナパーナ瞑想」と「メッターの瞑想」の具体的なやり方を次回から解説していきます。
申し訳ないのですが、「ヴィパッサナー瞑想」のやり方は解説しません。その詳細と理由についても別の記事で書かせていただきます。
3種類のブッダの瞑想法 Vol.1 ネガティブ感情からの解放、精神的・身体的健康への道
瞑想に出会い人生が変わった
僕は昔、マイナス思考がひどく、憂鬱感や対人恐怖、緊張感などのネガティブ感情や、日中の疲れやだるさ、多くのストレス、腰痛や過換気症候群といった心身症に悩んでいました。認知行動療法やACT、EMDRといった心理療法を受けたり、自律訓練法をやったり、さまざまな方法を試しましたが自分に合わなかったのかあまり良くなりませんでした。
しかしヴィパッサナー瞑想センターというところに足を運び、10日間泊まり込んで瞑想をするというコースを何度も受け、家に帰ってからも1日2時間瞑想することで、徐々に、しかし着実に、さまざまなネガティブ感情が減っていき、同時に過換気症候群や腰痛などの身体的な不調も無くなりました。
それだけではなく、他人に対する慈しみの気持ちや思い遣り、安らぎ、調和といったポジティブな感情が育まれつつあるのを実感しています。暖かい気持ちってこんな感じだったのか…と。本当に人生が変わったといっても過言ではありません。
3種類のブッダの瞑想法
その瞑想センターで学んだ瞑想法は以下の3つです。
- アーナパーナ瞑想(呼吸瞑想、止瞑想)
- ヴィパッサナー瞑想(マインドフルネス瞑想、観瞑想)
- メッターの瞑想(慈悲の瞑想)
センターでの正式名称は太字の部分ですが、世間的あるいは仏教の世界ではかっこ内の呼び方で呼ばれたりもします。この3種類の瞑想法は、センターではブッダが説かれた瞑想法だとされています。
次回へ続く...
「ミニマムライフスタイル」で安心感を確保し「オリジナリティ」でお金を稼ぐ
「ドリーム」という映画を見た。実話に基づく1960年代の物語で、NASAで働く黒人女性数学者3人の人生を描く。彼女たちの仕事は、宇宙ロケット発射に必要な計算を手作業でこなす計算係。3人の中でもメインの主人公となる1人の女性は特に天才的だ。チョークで黒板いっぱいに複雑な数式を書き、素早く正確に計算をやってのける描写には感動を覚える。
「女性だから」「黒人だから」といった偏見や差別に耐えながらも、友達である3人は互いに切磋琢磨しながら着実に成果をあげ、徐々に認められていく。その様子は見ていて痛快で非常に心地良い。家族や恋人との関係も絡めつつ、全体に軽快なアメリカンジョークを散りばめることで、全体のトーンが明るくなっていてとても面白かった。ここ最近見た中で一番面白い映画だった。オススメです。( 次の段落は少しネタバレなので注意)
その映画の中で途中、スーパーコンピュータが導入されたことで手作業による計算係が不要になってしまう。しかし一人の女性はそれを先読みし、コンピュータの使い方を学ぶことで、無事に新しい部署へ移ることができた。時代の波に飲み込まれずに済んだのだ。
IT革命の後、色々な職業が無くなった。最近ではAIなどの技術も進んでその流れが加速するだろう。事実、安泰だとされていた大企業が倒産したり合併されたりするケースは山ほどある。最近だと銀行の大規模リストラが話題になった。10年後どうなっているかなんて分からない。
歴史は繰り返されてきた。1960年代以降、ニット生地を生産する織物の分野では機械化が進み、安く素早く正確に大量生産できる高速編み機が次々と導入された。そんな中で「カネキチ」という工場は、旧型の機械である「吊機」にこだわった。それは非効率で、一点一点微妙に形が変わってしまうという時代の流れに逆らうものだった。
1980年代、中国などが参入してきてより安く、より効率的にできるようになったため、工場をそちらに移転するところが増えた(うろ覚えだが大まかにはそんな感じ)。当時、高速編み機を導入したところは次々と閉鎖に追い込まれた。安さ、効率性、大量生産、均質性で勝負しているところは、より優れた競合に勝つことができなかったのだ。そんな中、カネキチは生き残った。カネキチが作るものは「オリジナリティ溢れる一点モノ」として「逆に味があって良い」となったからである。
オリジナリティという意味では、このブログも模索中だ。将来ちゃんと収入源にするためにどうしようか。いくつかの分野を組み合わせてオリジナリティを作るのが良いんじゃないだろうか。僕の場合、それはヴィパッサナー瞑想者×ゆるミニマリスト×フリーランスのデザイナー×心理学部生×ブロガーという要素である。多分、自分の好きなことや考えていること、仕事、経歴などを掛け合わせたら誰でも「オリジナリティ」に溢れている。そうしたことをうまくブレンドしてブログなどで発信したら、誰かしら見たい人がいるはずだ。
いずれにせよ、ミニマムライフスタイルにしておくと安心感がある。終身雇用や年功序列など何かと会社が保証してくれた時代は終わった。いつどうなるか分からない時代に、35年ローンを組んで家を買ったり、結婚して家族を養い続けたりするのは相当なリスクがある。「異動でめちゃくちゃきつい部署に配属されたけどローンもあるし家族も子供もいるから働かないとな…けど転職するのは不安だ…」「リストラされた。やばい。」といった状況から解放してくれるのがミニマリズムだ。お金・モノ・人間関係、ライフスタイル全般をミニマルにしていけば、いつでも仕事をやめられる、住む場所を変えられる。身軽になり、新しいことに挑戦できる。
まぁこれも今の僕の価値観なので、将来、結婚して子供を作ってサラリーマンとして働いているかもしれないけれど。その時々で、いろんな事を知りながら幸せの形を模索していこうと思う。
と、今回はphaさんの本を参考にしてエッセイ風に書いてみた。一つのテーマに絞り込んでいないので読者の興味を惹きつけられるか微妙なところだが、自分が書いている分には結構楽しいことに気付いた。この話とこの話を繋げて…とか自分で考えながら部品を組み立てる感じで、デザインやプログラミングと似ている。エッセイ風、良いかもしれない。
出典
「カネキチ」の工場の話、終身雇用や年功序列の時代が終わった話など
隠居生活的・ゆるく幸せに生きる方法 ミニマムライフスタイルの提案など
前回の記事に続き、「隠居適合者がゆるく幸せに生きる方法」をかなりざっくりと書いていく。ちなみに隠居適合者というのは、「憂鬱感を感じやすい、働くのがしんどい、人付き合いが苦手」という人のこと全般をさして僕が勝手に作った名前である。
幸せを考える上で、多面的に考える複眼思考が重要であり、その一つとして生物心理社会モデルという考え方の枠組みが役立つと前回の記事で書いた。それを使って幸せに影響する要因をもう一度みてみよう。
- 社会的要因 人間関係、労働環境、モノ・お金、家事
- 生物的要因 食事・睡眠・運動
- 心理的要因 思考・感情のパターンなど
それぞれの側面から、僕が考えてきた生き方を提案したい。最初に断っておくと、こういう生き方もありなんじゃないかという程度で、絶対こうすべきなんて全然思わない。本を読んでまた考えが変わることはよくあることだし。働くのが楽しい人はどんどん働いたら良いと思うし、結婚して家族を支えて暮らすというのも幸せの一つの形だ。
あと、僕のオリジナルの考えというのはほぼ無い。色んな本を読んで得たものに自分の考えや経験をブレンドして熟成させた感じだ。この記事の最後に、書くにあたって参考にした本や影響を受けた本を紹介していく。じゃあ、みていこう。
社会的要因
ミニマムライフスタイル
ストレスを最小限に抑えることを基本とする。少ない収入で暮らし、支出を抑える。ここにすべてが関わってくる。
労働
ストレスを最小限にするため、あまり働かない「ミニマムワーク」を基本にする。それを実現するためにどうするかを考える。最初は週2,3日のアルバイトで安定した収入を得る。ミニマムライフコストを計算すると、月8万くらいでもなんとかなるので充分だ。
モノ・お金
モノを減らす、お金を使わない。
家事
モノを減らすことで皿洗いや掃除、洗濯といった家事も減らす。モノを減らすと掃除などの家事が驚くほど楽になる。「そろそろ掃除しなきゃまずいな…けど面倒だなぁ…まぁまだしなくて良いか」というモヤっとしたストレスも減る。これは結構大きい。また、最小限のお皿でご飯を食べるようにすると皿洗いが非常に楽だ。もう本当に感動するレベル。
住居
家賃の安いところに住む。3万円以下ならベスト。必然的に狭いところになるので、モノを減らすことが不可欠だ。
服
服の数を絞ると服選びの時に気持ちが本当にラクになる。服選びは毎日することなので、結構ウェイトが大きいと思う。
趣味
お金のかからない趣味を持つ。オススメは読書と散歩。無料でいつでも一人でできる。本も図書館で借りてきたら無料だ。最後に色んな本を紹介するけど、買う前に図書館で調べてみると結構見つかると思う。散歩も良い。散歩してると気分が安定するのを実感することがよくある。
人間関係
結婚しない、子どもを作らない。とてつもなくお金がかかるからだ。バリバリ働ける人の選択肢の一つ、くらいに考えると楽になる。しなくたって全然良いと思う。友達付き合いはほどほどにする。交際費にお金をかけすぎるとしんどくなってくる。ただし「使う時は使う」というくらいのお金は確保しておきたい。
生物的要因
食事
うつ病治療の「食事療法」を参考にする。
例えば代表的なものに「糖質制限」がある。ざっくりと解説しよう。パン・ご飯・お菓子などの糖質を摂ると、一時的に高血糖になり、その後、反動で低血糖になる。低血糖がひどいと憂鬱感、不安、イライラがひどくなる。そこで糖質をとる量を制限する。
具体的には、白米を玄米にしたり、白いパンを全粒粉パンにしたりする。他には、間食をお菓子からアーモンドやチーズなど糖質を含まないものに変えたりする。きちんと栄養バランスを考えながら糖質制限したりすると気分が安定し、精神病が良くなるケースも多いようだ。詳しくは後述の本を参照してほしい。食事は精神状態と密接に関係していると知ることが非常に重要だと思う。
運動や睡眠はかなり自分の行動をコントロールする力が必要になってくるが、食事を変えるのは比較的簡単なのでオススメ。
また、将来病気になったらお金がかかるので、栄養バランスや食品添加物のこと、健康のことも知っておいた方が良い。
運動
うつ病治療に「運動療法」というのもあるが、長期的な目でみると運動はしんどくて続かない。僕自身の体験から言うと、ゆっくり散歩すると気分が安定する。
睡眠
睡眠と精神状態が互いに影響し合うことも明らかになっている。徹夜続きだと精神がおかしくなっていくように、睡眠の質の悪さや時間の短さ、昼夜逆転なども精神に影響する。睡眠の質を改善する方法としては、寝る直前までスマホなどの明るい画面を見ないことや、お腹がいっぱいの状態で寝ないことなどがある。
心理的要因
結論から言うと、ヴィパッサナー瞑想を試してみてほしい。僕はヴィパッサナー瞑想で人生が変わったと言っても過言ではない。
昔、ひどい絶望感・憂鬱感・対人恐怖感(社交不安)・ネットなどへの依存的傾向などに悩んでいた。色んな心理療法を調べ、実際に受けた。認知行動療法は1年半受けたし、ACTやEMDRも短期間だけ受けた。もちろん、そうした治療で良くなる人もたくさんいるけど、個人的にはあまり効果を実感できなかった。
だがヴィパッサナー瞑想で少しずつ変わってきた。マイナス思考はかなりマシになってきたし、絶望感・憂鬱感・だるさ・しんどさ・寂しさとったネガティブ感情を感じる頻度・時間・レベルなどが大幅に減った。これに関してはまた改めて書こうと思う。
まとめ
以上、各分野のことをふわっと書いてきた。大まかな暮らし方の提案はこんな感じである。これからこうしたことを書いていくつもりだ。誰かの参考になれば嬉しい。
参考になった本
モノが多い、ただそれだけのこと。しかし片付けや掃除などを通して心理的に影響し、意外にも多くのストレスになっていると気づくきっかけになった本。
ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -
- 作者: 佐々木典士
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2015/06/12
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家族を作らないことに関して、この本にかなり影響を受けた。現代の「家族観」ができた背景や、シェアハウスなどさまざまな暮らし方についても参考になった。
持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/05/26
- メディア: 単行本
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この本を読んで、バイトだけでも全然生きていけるわ!と思えた。あとは家賃の安さってホント大事だなと。読書・散歩って自分が思っているよりも趣味として良いかも、と気づかせてくれたのもこの本。
現代人がいかに糖質をとり過ぎているか、そのことが気分にどんな影響を与えているかを知ることができた。
質の高い睡眠をとるにはどうすれば良いかなどが書いてあり、勉強になった。昔、読んだ本なので少しうろ覚えだけど。
眠る技術 ~「起きられない」「寝た気がしない」「やる気が出ない」あなたへ~ (だいわ文庫)
- 作者: 西多昌規
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2013/10/12
- メディア: 文庫
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これはヴィパッサナー瞑想の哲学が詳しく書いてある。実践方法などは書いてない。結構難しいかもしれない。僕は合宿で瞑想を体験するとこの本に書いてあることがようやく分かってきた。仏教思想と似ている部分も多い。
- 作者: ウィリアム・ハート,日本ヴィパッサナー協会,太田陽太郎
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 1999/11/25
- メディア: 単行本
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「隠居適合者がゆるく幸せに生きる方法」をうつ病治療から考える
「人付き合いが苦手」「働くのがしんどい」「憂鬱感を感じやすい」という人、つまり隠居適合者(勝手にネーミングしてみた)がどうやったらゆるく幸せに生きられるだろう。
僕自身、昔はそういったことがかなりひどかったので、臨床心理学系の本をはじめとしていろいろな本を読み漁った。この記事では、その過程で分かった全体としての方向性・大枠の考え方を書きつつ、次回の記事くらいで普通の人がそれをどうやったら活かせるかを書いていく。
うつ病治療から考える幸せ
参考になったのがうつ病の治療である。うつ病はざっくり言うと「絶望感や憂鬱感がひどくていろんなことに対する興味が失せ、エネルギー不足になって一歩も動けなくなる」病気だ。
そして、その治療では「ネガティブ感情を減らしたり、エネルギーや興味を回復させる方向に持っていくこと」が目標となる。まさにこれは健康な人にも適用できる。治療を一部分取り入れると、「寂しさや憂鬱感、不安、イライラといったネガティブな感情がかなり減って、なんか毎日楽しくなってきた!」となる可能性があるということだ。
複眼思考
具体的なうつ病治療方法はいろいろあるが、今回は大枠の考え方をみていきたい。めちゃくちゃ大事なのは、多角的・統合的な視点で考える「複眼思考」だ。なぜなら、そもそも原因が複雑・多面的で、人によって異なるからだ。
うつ病になってしまった人の原因の一例をみてみよう。
- 日常的に睡眠不足である 生物的要因
- 極端なマイナス思考がある 心理的要因
- 労働環境がひどい 社会的要因
これらの要因はお互いに影響しあい、複雑に絡み合っている。いくら薬を飲んでもこれらの要因をなんとかしないと根本的な解決にはならない。
そこで、多角的な介入を行う必要が出てくる。介入の流れの一例ではこんな感じ。
このようにして徐々に回復の方向に持っていく。
生物心理社会モデル
これは「生物・心理・社会モデル」という考え方に基づくものだ。その人の状態を、生物的にはどうか、心理的にはどうか、社会的にはどうか、というふうに総合的にとらえ、治療方針=介入方針を立てる。これが非常に重要だと思う。この、多面的に考える「複眼思考」は重要だけど忘れがちなので特に意識したいところ。
では生物心理社会モデルの範囲をもう少し広げて「隠居適合者がゆるく幸せに生きる」ための要因を見てみようと思う。
- 生物的側面…食事、運動、睡眠
- 心理的側面…思考・感情のパターン
- 社会的側面…お金、モノ、労働、家事、人間関係、趣味
上で挙げたものはすべて精神状態に関わっている。つまり幸せに関わっている。人それぞれどこでつまずいているか、問題を抱えているかは違う。だけどこれら一つでも良い方向に持っていく知識を身につければ、今より良くなることは確実だ。
心穏やかに保ち、幸せに生きるためにどうするか。次回から上の要因を少し詳しく考えていきたい。みんなが幸せでありますように。
選択肢を絞ると楽になる ジャム理論とミニマリズム
ジャム理論と迷うストレス
「ジャム理論」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
店でジャムを買うとき、種類が多すぎると迷ってしまって結局買わないというものだ。ここでのポイントは、「迷う時に感じるストレス」だと思う。「これも良いけどあっちも良いな。どうしよう。あー、決められない…」と迷っているとき楽しいこともあるが、あまりに迷うとストレスになってくる。
現代社会を生きる僕らはいろんな場面でこういうことがある。モノや情報が溢れすぎていて、どれを買ったら良いのか分からない。多くのモノの中から一つを選ぶとき、ストレスを感じる。
ジャム理論には続きがある。店側がジャムの種類を絞って棚に置いたケースでは、逆に売り上げが伸びたという。選択肢が少なくて選びやすかったからだ。迷うストレスも少なく、気持ち的に楽になり、買い物を楽しめる。
選択肢を絞る
世の中にあるモノが少なくなれば良いが、そうもいかない。そこでオススメしたいのが、モノを選ぶ時、あえて自分で選択肢を絞ることだ。モノ選びの基準を決めるとも言える。
僕の場合、色や形がシンプルでミニマルなもの。色はできれば白、黒、グレーのどれか。最近は「掃除しやすく、コンパクトで、軽くて薄い」という基準も良いなぁと感じている。
こういう軸をもつことで僕はすごく楽になった。
例えば服選びがそうだ。前までは服屋に入ると「こんなにファッション誌を読んできたはずなのに、全然決められない…」とイライラしたり落ち込んだりしていた。今は違う。
最近、Amazonで水筒を買ったがその時もそうだった。もちろん今でも機能や見た目を比較したりするが、前よりそれにかける時間も労力も圧倒的に少ない。基準が決まっているので、見るモノも限られるし思考もシンプルになる。
まとめ
モノや情報が溢れている現代だからこそ、ミニマリズムという軸が人を楽にする。ミニマリズムという考え方がこれだけ広まりつつあるのも、その魅力に気づく人が増えたからだろう。
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